台風被害
――7日の火曜日に、山口県を襲った台風18号はたくさんの被害をもたらしましたが、今回の台風被害について、相談がありましたでしょうか。
渋瀬 7日の午後、台風が通り過ぎた後あたりから、台風被害について、電話での相談がありました。
――どんな相談だったのでしょうか。渋瀬 被害を受けた方からは、
「屋根瓦や、車庫の屋根のビニール板やトタン屋根が飛んできて、家の外壁やドア、自動車のボディに傷をつけた」とか
また、
「隣の家の植木が倒れて、車庫を壊した」
という内容の相談や、
「他人の家などに被害を与えたかも知れないけど、どうしたらいいでしょう」
という方からも相談がありました。
――こんな場合には、どう考えればいいのでしょうか。
渋瀬 具体的な話になりますと、テレビ番組の弁護士4人の回答のように、考え方が分かれるでしょうし、過去の裁判所の判断も、結論が分かれているようですね。
――では、基本的な考え方を教えていただけますか。
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渋瀬 まず、第一に、とても大切なことは、証拠があるかどうかです。例えば、屋根瓦が、縄田さん〔聞き手〕の家の屋根瓦であるという証拠があるか、証明できるかどうか、そして、その縄田さんの家の屋根瓦が飛んで、自動車に当たって発生した損害であることが、はっきり証明できるかどうかに気をつけたいですね。そうでないと、濡れ衣をきせることになりますからね。
――自動車に傷をつけたのが、何であるか、それは誰の物であるかということをはっきりさせることは、確かに大切ですね。
渋瀬 それから、建物の一部のような人間が土地に引っ付けたもの(これを土地の� �作物といいます)と、それ以外の庭に置いてある植木鉢とか、地面に置いてあるごみの焼却炉などのようなものとでは、法律上の取り扱いが違います。
――人間が土地に引っ付けたものと、それ以外ではどこが違うのですか。
渋瀬 人間が土地に引っ付けた工作物は、土地への引っ付け方が、ちゃんとされていなかったり、日頃からの管理がちゃんとされていなかった場合(これを瑕疵があるといいます)には、工作物の所有者は、台風対策をとったか、とらないかに関係なく、つまり、無過失であっても、被害を弁償する義務があることになっています。
――ということは、日頃から、物の管理をしっかりしていなかったら、所有者は他人の家の外壁やドア� �自動車や車庫の修理代を出さなければならないということですね。
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渋瀬 そうですね。問題は、今回の台風被害は、ちゃんとした管理をしていたら防げたのか、それとも予想外の強さだったため、ちゃんとした管理をしていても、防ぎきれなかったのかどうかをどうやって判断するかです。
――自分のものならある程度は分かっても、他人様のものであれば、どんな管理状態であったかを知るのは難しいでしょうね。
渋瀬 そうですね。結果だけを見た感情論になりがちでしょうね。
――では次に、人間が土地に引っ付けたものではない植木鉢とか、ごみの焼却炉のようなものの場合は、どう考えるのでしょうか。
渋瀬 植木鉢が安定していないた� ��、台風が来たら飛んでいく可能性があったとか、焼却炉が強風で倒れたら、煙突が隣の家を壊す可能性があったとかの場合には、被害が出る可能性があるわけですから、所有者には対策をとることが求められます。
――具体的には、どのようなことでしょうか。
渋瀬 植木鉢が隣の家に飛んでいかないように、固定しておいたり、ゴミの焼却炉の煙突を、針金を使って倒れないように、固定するとかの対策をとることが求められます。もし、そうした対策をとっていなかったら、「過失がある」ということで、損害を弁償する義務があることになります。
――もう一度、整理していただけますか。
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渋瀬 人間が土地に固定した工作物は、しっかり固定すると共に、日頃からしっかり管理することが求められ、土地の工作物以外では、その時々の台風情報に合わせて、被害が起きないように対策をとったかどうかが問題になるのです。
――それでは、隣の人には損害を賠償する責任があるという場合に、話に行った時、話し合いに応じてもらえれば良いのですが、「台風のせいだから知らない。台風に聞いてくれ」なんて言われたら、どうしたらいいのでしょうか。
渋瀬 責任があるかどうかを判断することと、責任がある場合に、相手が責任を感じて� ��害を弁償してくれるかどうかは、別の話になりますね。正式の裁判に掛けることなく解決したい場合には、
@まず最初は、相手の所に、自分で、冷静に、話に行く。
A話がうまく進められないようなら、他の人に間に入ってもらうとか
B費用が数千円で安い裁判所の調停制度を利用して、裁判所の部屋の中で、落ち着いて話し合いをする。
Cまったく話にならなくて、被害額が60万円までなら、1日で裁判が済む簡易裁判所の少額訴訟を利用する
などという方法が、正式裁判以外で考えられますね。
――テーマとは離れますが、損害賠償以外の費用についてはどうでしょうか。
渋瀬 外壁の修理代とか、自動車の板金修理代とかの損害ではなく、倒れた隣の家の植木やブロック塀を除けてほしいのに、すぐに除けてくれなかった場合に、自分のほうで人に頼んで、立替で支払って片づけてもらったような場合には、その片づけ費用は、請求できることになっています。
――困っている自分のほうで、片づけを頼むという場合のことですね。
渋瀬 そうです。困っている人が業者に頼んで処理してもらった方が、早く問題が解決しますよね。
――隣の土地が崩れてきた場合には、どうなんですか。
渋瀬 隣の土地との間に高低差があって崖になって� �る、段々畑とか田んぼでは、台風の大雨で、その崖が崩れることがありますね。そんな場合には、やはり、日頃からの田畑の管理がどうであったかとか、台風が50年に1度あるかないかのひどい物であったかどうかのように、あらかじめ被害を想像することができたかどうか、予想できた場合に、対策をとったかどうかが、責任があるかどうかの分かれ道になると思います。いずれにしろ感情的にならずに、話し合ってほしいですね。
――今日は、「屋根瓦の設置や管理が不適切なら、無過失でも責任があります」ということで、「台風で飛んだ屋根瓦による被害について」をテーマに、行政書士の渋瀬清治さんにお話をおうかがいしました。
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